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Shota HANAKI
-BORDER -
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EXHIBITIONS
Shota HANAKI
-BORDER -
ARTIST
花木彰太
INFORMATION
SHOTA HANAKI-BORDER-
2024年11月23日(土)-12月6日(金)
ATSUHIKO SUEMATSU GALLERY
花木彰太は、2018年の個展「BORDER』(SHUMOKU GALLERY 愛知)において24点のBORDERシリーズを発表している。それから6年の時間を経て、再び同タイトルの展示を行う。
今回、メインの展示室では2023年から2024年にかけて制作した4つの4点組作品が展示されている。
これらの作品は、パネル同士の持つ色の組み合わせそのものが影響し合うように制作されている。
ある法則を持って制作された4つの4点組みを”border(purple to green)”(2023制作)を例に見ていく。上記作品は、左端に紫のパネル(仮に第1パネルとする)、右端は緑のパネル(同第4パネル)、そして中央はグレーの2つのパネル(同第2、同第3パネル)の計4点で構成されている。
第1パネルの左側には混色されていない状態の紫が塗られ、右側にはその紫と第4パネル右側に塗られた緑が混色された状態で塗られている。第4パネルでは同様に、右側に未混色の緑が塗られ、左側には緑と第1パネル左側の紫が混色され塗られている。
4つのパネルからなる作品の両端に塗られた未混色の色が第2、第3パネルと中央に向かうに従って、徐々に無彩色になるよう混色されている。
つまり、この作品で使われている絵具は2色のみということになる。
そして、第2パネルと第3パネルの中央には、作品パネルと同サイズの400mm以上の間隔を開ける指示がある。鑑賞者はこの400mmの空白に、制作されていない紫と黄緑からなる完全な中間グレーの作品を想定することとなる。
この空白は同時に、完全な中間を示すことの不可能性として花木が提案した空白であると言える。
対となる2色からなるグレーには揺らぎがあり、その揺らぎがborderシリーズが本来持つ色彩、奥行き、平面性の捉えがたさをより強固なものにしている。また2024年に制作さた”border(24-1)”から”border(24-5)”までの5点は、上記の4点組作品から派生した作品である。
この作品群は一見様々な明度、色調を持ったグレーの作品に見えるが、それらは作品毎に色の組み合わせを検討し選ばれた2色が混色されることで出来たグレーが表面を覆っている。ここでも花木は完全なグレーを目指しながらも、左右に塗られたグレーは混じり合わずに微妙に異なっている。さらにこれらの作品群では、パネル裏側にグレーを構成している2色が未混色の状態で塗られている。当然作品裏面を展示中に見ることは出来ず、鑑賞者は表面のグレーを構成しているはずの2色がパネル裏側に 内包していることを知りながらも、表面のグレーから推測するほかない。
”border(purple to green)”ではグレーを構成している色とその変化(グラデーション)がパネルごとに明示されているのにし、”border(24-1)”から”border(24-5)”までの作品群ではグレーを構成する元の色は示されず、微妙な違いを持つグレーのみがborderシリーズ特有の山形に突出したパネルに示されている。前者はパネル同士の関係性と中立の不在をテーマとし、後者はその関係性を一つの作品のうちに内包し凝縮することで、それぞれの作品は新たな思考を促す作品としても成立している。
花木はborderを発表した2016年以降、パネルの形やサイズを変えることなく、そこに思考を重ねることで、作品は変化を続けている。
ATSUHIKO SUEMATSU GALLERY
2024年11月
ARTIST
花木彰太
INFORMATION
SHOTA HANAKI-BORDER-
2024年11月23日(土)-12月6日(金)
ATSUHIKO SUEMATSU GALLERY
花木彰太は、2018年の個展「BORDER』(SHUMOKU GALLERY 愛知)において24点のBORDERシリーズを発表している。それから6年の時間を経て、再び同タイトルの展示を行う。
今回、メインの展示室では2023年から2024年にかけて制作した4つの4点組作品が展示されている。
これらの作品は、パネル同士の持つ色の組み合わせそのものが影響し合うように制作されている。
ある法則を持って制作された4つの4点組みを”border(purple to green)”(2023制作)を例に見ていく。上記作品は、左端に紫のパネル(仮に第1パネルとする)、右端は緑のパネル(同第4パネル)、そして中央はグレーの2つのパネル(同第2、同第3パネル)の計4点で構成されている。
第1パネルの左側には混色されていない状態の紫が塗られ、右側にはその紫と第4パネル右側に塗られた緑が混色された状態で塗られている。第4パネルでは同様に、右側に未混色の緑が塗られ、左側には緑と第1パネル左側の紫が混色され塗られている。
4つのパネルからなる作品の両端に塗られた未混色の色が第2、第3パネルと中央に向かうに従って、徐々に無彩色になるよう混色されている。
つまり、この作品で使われている絵具は2色のみということになる。
そして、第2パネルと第3パネルの中央には、作品パネルと同サイ ズの400mm以上の間隔を開ける指示がある。鑑賞者はこの400mmの空白に、制作されていない紫と黄緑からなる完全な中間グレーの作品を想定することとなる。
この空白は同時に、完全な中間を示すことの不可能性として花木が提案した空白であると言える。
対となる2色からなるグレーには揺らぎがあり、その揺らぎがborderシリーズが本来持つ色彩、奥行き、平面性の捉えがたさをより強固なものにしている。また2024年に制作さた”border(24-1)”から”border(24-5)”までの5点は、上記の4点組作品から派生した作品である。
この作品群は一見様々な明度、色調を持ったグレーの作品に見えるが、それらは作品毎に色の組み合わせを検討し選ばれた2色が混色されることで出来たグレーが表面を覆っている。ここでも花木は完全なグレーを目指しながらも、左右に塗られたグレーは混じり合わずに微妙に異なっている。さらにこれらの作品群では、パネル裏側にグレーを構成している2色が未混色の状態で塗られている。当然作品裏面を展示中に見ることは出来ず、鑑賞者は表面のグレーを構成しているはずの2色がパネル裏側に内包していることを知りながらも、表面のグレーから推測するほかない。
”border(purple to green)”ではグレーを構成している色とその変化(グラデーション)がパネルごとに明示されているのにし、”border(24-1)”から”border(24-5)”までの作品群ではグレーを構成する元の色は示されず、微妙な違いを持つグレーのみがborderシリーズ特有の山形に突出したパネルに示されている。前者はパネル同士の関係性と中立の不在をテーマとし、後者はその関係性を一つの作品のうちに内包し凝縮することで、それぞれの作品は新たな思考を促す作品としても成立している。
花木はborderを発表した2016年以降、パネルの形やサイズを変えることなく、そこに思考を重ねることで、作品は変化を続けている。
ATSUHIKO SUEMATSU GALLERY
2024年11月
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